(研究発表)中国大卒者の就活における性差別--4.5残された課題

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Jul 29, 2017 21:03 社会学 就職 性差別 女性 大学生 中国 男女平等 不平等
 大学生は職業選択の際に、これまでは大都市である一線都市での就職に憧れる者が多かったが、近年は若干の変化がうかがえる。大手就職支援サイトである智聯招聘(ジーレンシャオピン)が2016年発表した「2016年大学新卒者就職力調査」によると、新卒者の就職希望地域は、高物価や大気汚染、交通渋滞など様々な問題を抱える一線都市よりも、経済発展が見込まれ、生活コストのあまりかからない「新一線都市」であり、大卒者の就職先地域として注目を集めている。北京、上海、広州、深センという大都市を指す「一線都市」は29.0%で、成都、杭州、大連など今後の発展が見込まれる「新一線都市」は38.3%と最も高い。地域レベルの影響力を持つ「二線都市」、「そのほかの地域」はそれぞれ19.2%と13.6%である。

 大卒者の就職実態に関する先行研究は、上位大学あるいは一線都市を限定とした、学校歴や出身地による就職差別に着目したものが多い。中国における大学生の就職活動での性差別に関しては、「性差別を感じたことの有無」が確認できる程度であり、具体的にどのような事例で、どのように困難を乗り越えたのか、性差別の具体的な内容や問題点についてまで言及した研究は見当たらない。女子学生の就職問題の実情を把握することができれば、実効性の高い方策の検討が可能となり、性差別問題の解消につながるのではないだろうか。

 そのため、本研究では、中国の中堅大学であり、「新一線都市」である大連市の総合大学D大学の卒業者を対象とし、個人への詳細な聞き取り調査により、大卒女性の就職活動での困難を明らかにする。