「いいです」

  •  
  • 327
  • 0
  • 1
  • Japanese 
Mar 23, 2011 17:09
「いい」は「よい」のくだけた言い方である。「よい」とは、一言で言えば、すぐれている、価値があるという意味である。尋ねられたときに答えた「いい」は、意味はどうか。詳しい使い分けるために、返事で言う「いい」にどういう意味があるか、ということがわからなければならないと思う。
1、評価としての「いいです」の意味
例1「この音楽はどうですか?」
  「いいです」
この問題に対する答えとしては「好きだ」という意味の「いい」と、「評価できる」という意味の「いい」がある。

例2「○○の歌はどう?」
  「いいです」
 この問題と中学生に聞いた場合の「いい」は、「好き」だが、音楽プロデューサーに聞いた場合の「いい」は、「売れる」といった意味合いを含むかもしれない。また、中学生でもプロデューサーでも「上手い」という評価の意味で「いい」と言うこともある。

2、勧めや申し出に対する応答としての「いいです」の意味
例1「野球観戦に行きませんか?」
  「いいですよ」
これは「行きたい」の意味、同意である。

例2「手伝ってくれる?」
  「いいですよ」
これは「承知」の意味、同意の一種とも言える。

例3「コーヒーをもう一杯いかがですか」という発言に対しては、次のような応答が考えられる。
⑴ A:コーヒーをもう一杯いかがですか。
  B:いいです。
⑵ A:コーヒーをもう一杯いかがですか。
B:いいですよ。(下降のイントネーション)
⑶ A:コーヒーをもう一杯いかがですか。
B:いいですよ。(上昇のイントネーション)
⑷ A:コーヒーをもう一杯いかがですか。
B:いいですか?
ここで、Bの応答は、⑴と⑵では断り、⑶と⑷では「もう一杯ほしい」という気持ちを示す受け入れの言い方になる。上の終助詞「ね」「よ」「か」は、コンテクストの違いによって使える場合と使えない場合があり、使える場合でも用法が常に同じとはかぎらない。
表は、「いいです」とその類似表現「いいですよ」、「いいですね」がその応答として多用されるいくつかの言語行動をあげ、それぞれについて、「いいです」その他の表現形式を応答として使用することの可否と、使用できる場合の各表現形式の意味を示したものである。表中の○はその表現形式の応答が受け入れ、了承、承諾といった肯定的意味をもつこと、×はその表現形式の応答が断り、拒否といった否定的意味をもつこと、―はその表現形式が一般には用いられないことを示す。
 
表略



終助詞の付いた形式については、細かいニュアンスの違いを度外視して言えば、おおむね次のことが言える。
1)「いいですね」は肯定的応答である。
2)上昇調イントネーションの「いいですよ」は肯定的応答である。
3)下降調イントネーションの「いいですよ」は否定的応答である。

「いいです」と「結構です」同じ意味の場合
例 論文などを書いて先生に見せる。
先生:「結構です(ね)/いいです(ね)」 → これは‘good’の意味である。
先生:「これで結構です/これでいいです」 → これは「まあまあok、単位は出します」の意味である。
先生:「もう結構です/もういいです」 → これは、「もう生徒に力がないので、こ
                   れ以上勉強してもダメだから、終りま
                   しょう」の意味である。

例 「もっと、パソコンの使い方の説明がほしいですか?」
  「もう、いいです/もう、結構です」
これは‘No, thanks’の意味である。「もう」をつけた、否定的応答だと思う。