レポートの一部です

  •  
  • 46
  • 5
  • 2
  • Japanese 
Dec 7, 2017 11:06
レポートの一部です

中国における小学生の保護者のSNSによる学校教育参加に関する研究
―ウィーチャットを例として―

先行研究
 
 今の中国では、ウィーチャットなどのSNSで保護者(とくに小学生の保護者)が教師とのやり取りは既にありふれることになった。教育関係者たちもこのような新しい現象に注目する。董艶、王飛の「家校合作的微信支持模式及家长认同度研究」(家庭と学校が協働するウィーチャット支持形式及び保護者納得度についての研究)[董艶 王飛 家校合作的微信支持模式及家长认同度研究 2017.2  ]は、従来のウィーチャットを通す家庭と学校の協働についての研究は主に過去の経験をまとめるだけで、実際の効果に関する証憑は比較的少なく、そして、保護者の視点に基づく研究は不足であるという二つの問題点を指摘した。左志宏、王冬は、「微博、微信作为家园沟通与共育新平台的优势与问题」(ウェイボー・ウィーチャットが家庭と幼稚園の新型連絡方法及び共育の場とするメリットとデメリット)[左志宏 王冬 微博、微信作为家园沟通与共育新平台的优势与问题 2014.12]で、ウェイボー・ウィーチャットが家庭と幼稚園の新しい連絡方法とする優勢と欠点を分析し、より適当に利用される可能性を探していた。ウィーチャットによる教育参加は問題視と見なされるが、近年から注目され始めた新しい問題点なので、それに関する研究はまだそれほど深く行かない。また、ウィーチャットが中国独自のSNSなので、現在の研究は主に国内の環境に注目し、国外の情報通信技術を利用する家庭と学校との連携にあまり触れない。故に、本研究は中国と同じアジア系の国で、ICT教育に意識が高い日本の諸状況から経験を取り上げ、中国のICT教育への啓発と情報化時代に面する教師と保護者の在り方を探究したい。

研究動機
 
 中国では、ICT教育は一般に「信息技术(情報技術)」と呼ばれる。近年、中小学校情報技術(IT)課程指導要領はさらに公式的公布されたが、学校側がICT教育に対する誤解はまだ解かされていない。例えば、生徒が独立にICTを使って知識を学習する能力の重要性を見逃し、もしくはICT教育を簡単に「コンピューター授業」として扱うこともある。SNSによる教育参加は本格的ICT教育の内容とはいえないが、本研究は先行研究を踏まえ、ICTを利用する日本の教育現場を例示しつつ、中国の小学生の保護者たちがウィーチャットなどのSNSを通して学校教育に参加するということを切り口として、SNSによる教育参加今後の在り方、及び中国の小中学校におけるICT教育の本格的に推進される可能性を探そうと考えている。

用語解釈

ウィーチャット
 ウィーチャットとは中国におけるIT企業テンセントが開発した無料インスタントメッセンジャーアプリであり、メッセジャー機能とソーシャルネットワーキングサービス機能の融合が特徴として評される。また、銀行口座の情報を登録すると、店頭の商品やサービスの支払い、そして他のユーザーへ送金することも可能である。今の中国では、ウィーチャットは最も通用するSNSとして、人々の日常生活を一つに繋いでいる。

公衆アカウント
 ウィーチャット機能の一つである。誰でも無料で公衆アカウントを開設できる。公衆アカウントを通し、作った文章やビデオを自分のフォロワーにプッシュすることが可能である。学習内容(特に英語や人文社会科学など)を整理して定期的プッシュする公衆アカウントも沢山あり、学習者にとってはスキマ時間を有効に利用して勉強できる便利な機能である。

ICT教育
 ICT教育とは、情報通信技術(ICT:Information & Communication Technology)を学校教育の場に活用すること。例えば、電子黒板やタブレット端末、パソコンを用いて教育活動を行う。ICT教育は時間と空間の制限を超え、教育の効率化を実現する。一方、ICTを正しく使うためのマナ―やモラルに関する教育も求められている。